2026年6月17日 (水)
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健康・栄養

白米1杯増えるごとに糖尿病リスク11%増?効くのはアジア人だけ

約35万人を追ったメタ解析で、白米を1日1杯増やすごとに2型糖尿病リスクが約11%上昇。ただし差が大きいのはアジア人だけで、欧米人では有意差なし。

白米1杯増えるごとに糖尿病リスク11%増?効くのはアジア人だけ
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約35万人を追ったメタ解析で、白米を1日1杯増やすごとに2型糖尿病リスクが約11%上昇。ただし差が大きいのはアジア人だけで、欧米人では有意差なし。

白米はおいしい。でも、ちょっと気になる話

炊きたての白いごはん。日本人にとって、これほど身近で安心できる主食はそうありません。おにぎり、丼もの、カレー——食卓の真ん中には、たいてい白米があります。

そんな白米について、少し気になる研究があります。「白米をたくさん食べる人は、2型糖尿病になりやすいのではないか」というものです。しかも、その傾向が強く出るのはアジア人で、欧米人ではあまり見られない——。今回は、その研究を冷静に読み解いてみます。

なぜ「白米」が問題にされるのか

白米が槍玉に挙がる背景には、「血糖値の上がりやすさ」があります。

白米は精米の過程で外側の糠(ぬか)や胚芽が取り除かれ、残るのはほぼデンプン。食物繊維が少なく消化が速いため、食べると血糖値がぐっと上がりやすい食品です。こうした「血糖の上がりやすさ」を示す指標をGI値(グリセミック指数)と呼び、白米は玄米や雑穀に比べてGI値が高めとされます。

食後に血糖値が急上昇する「血糖スパイク」が毎日くり返されると、血糖を下げるホルモン(インスリン)を出す膵臓に負担がかかり、長い目で見て糖尿病のリスクを押し上げる——というのが、研究者が立てた仮説です。

何がわかったのか

この研究のポイントを数字で見てみましょう。

  • 白米の摂取を1日1杯(1食分)増やすごとに、2型糖尿病のリスクが約11%上昇(相対リスク1.11)した。
  • ただし内訳を見ると、アジア人(中国・日本)では最も多く食べる群でリスクが約55%高かった(相対リスク1.55)。
  • 一方、欧米人では統計的に意味のある差は出なかった(相対リスク1.12で、誤差の範囲)。
  • この「アジア人と欧米人の差」は偶然とは言いにくいレベルだった(交互作用のP値=0.038)。

つまり「白米=即危険」ではなく、たくさん食べる集団でだけ、リスクの上乗せがはっきり見えたというのが実像です。

どうやって調べたのか

この結論は、たった一つの調査から出たものではありません。

研究チームは、世界各地で行われた7つの前向きコホート研究(健康な人を長期間追いかけ、その後だれが病気になるかを調べる手法)をまとめ直しました。対象は合わせて約35万人(35万2384人)。追跡期間は4年から22年に及び、その間に2型糖尿病を発症したのは1万3284人でした。

こうして複数の研究を統合し、より確かな全体像を描く手法を「メタ解析」と呼びます。一国・一集団の偏りをならせる強みがある一方、注意点もあります。

ただし、冷静に

ここで踏みとどまっておきたい点がいくつかあります。

第一に、これは観察研究のメタ解析であり、「白米が糖尿病を引き起こす」と因果を断定できるものではありません。白米をよく食べる人の生活習慣や運動量、ほかの食事内容といった「交絡因子」が結果に影を落としている可能性が残ります。

第二に、アジア人で差が大きかった理由は、単純に食べる量が多いからかもしれません。論文によれば、アジア(中国・日本)の人たちの白米摂取は1日3〜4杯だったのに対し、欧米では週1〜2杯程度。量がまるで違えば、影響の出方が違っても不思議はありません。

第三に、食事のアンケート調査には記憶のあいまいさという限界がつきものです。白米だけを悪者にして、ごはんを敵視する必要はありません。

それでも、できる工夫

そのうえで、日々の食卓でできる現実的な工夫はあります。

  • 量を見直す。どんぶり大盛りを普通盛りにするだけでも、1日数杯分の差になり得ます。
  • 雑穀や麦、玄米を混ぜる。食物繊維が増え、血糖の上がり方がゆるやかになります。
  • 野菜やたんぱく質を先に食べる。同じごはんでも、食べる順番で血糖の上がり方が変わるとされています。
  • よく噛んでゆっくり食べる。早食いは血糖スパイクを招きやすいといわれます。

白米をやめる必要はありません。「ちょっと量を意識する」「主食に一工夫足す」——その小さな積み重ねが、長い目での体への投資になります。


出典:Hu EA, Pan A, Malik V, Sun Q. White rice consumption and risk of type 2 diabetes: meta-analysis and systematic review. BMJ. 2012;344:e1454.(PubMed掲載、DOI

※この記事は研究の紹介であり、個別の医療助言ではありません。持病や治療中の方は主治医にご相談ください。

SOURCE / 出典・論文情報
Hu EA, Pan A, Malik V, Sun Q. White rice consumption and risk of type 2 diabetes: meta-analysis and systematic review. BMJ. 2012;344:e1454. / DOI: 10.1136/bmj.e1454
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