2026年6月17日 (水)
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健康・生活習慣

日本人の55%が使うウォシュレット、洗いすぎで肛門がかゆくなる?

日本人4963人調査で55%がウォシュレットを使用。肛門のかゆみは前洗い・熱い水・男性・若年と関連。洗いすぎのサインかもしれません。

日本人の55%が使うウォシュレット、洗いすぎで肛門がかゆくなる?
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日本人4963人調査で55%がウォシュレットを使用。肛門のかゆみは前洗い・熱い水・男性・若年と関連。洗いすぎのサインかもしれません。

おしりを清潔にしているはずなのに

日本のトイレといえば、ウォシュレットに代表される温水洗浄便座。海外からの旅行者が驚く「おもてなし家電」のひとつです。ところが、清潔にしているはずのその習慣が、かえって肛門のかゆみと関係しているかもしれない——そんな調査結果が、亀田総合医療センターのグループから報告されています。

亀田グループの研究では、地域に暮らす日本人4963人にアンケートを実施。すると、55%が排便の前後に温水洗浄便座を使っていました。半数以上が日常的に使っているわけです。問題は「使うかどうか」ではなく、「どう使うか」にありそうでした。

なぜ、洗っているのにかゆくなるのか

そもそも肛門のまわりの皮膚は、薄くてデリケート。表面は皮脂や角質による「皮膚バリア」と、肌に住みつく常在菌のバランスで守られています。ここに強い刺激が繰り返し加わると、どうなるか。

考えられている仮説はこうです。熱いお湯や長時間の水流で皮脂が洗い流されると、バリア機能が弱まり、乾燥して敏感になる。さらに常在菌のバランスが乱れると、ちょっとした刺激でもかゆみを感じやすくなる——つまり「洗いすぎ」が、本来の防御を削ってしまう可能性があるのです。あくまで仮説ですが、この研究の数字とは矛盾しません。

何がわかったか

アンケートを統計的に分析した結果、肛門のかゆみと関連していたのは、次のような要素でした。

  • 排便の前にも肛門を洗うこと(使用者の約30%が実践)
  • 排便後に熱めの水で洗っていること
  • 便もれの頻度が高いこと
  • 男性であること
  • 若い世代であること

とくに目を引くのが「前洗い」。本来、ビデは排便“後”に汚れを流すための機能ですが、3人に1人近くが排便の前にも使っていました。排便を促す目的もあるようですが、刺激の回数が増えれば、それだけ皮膚への負担も積み重なります。

どうやって調べたか

調査の対象は、亀田総合医療センターの外来患者・職員と、二つの専門学校の学生・職員という、身近な人たちの集まり(便宜的サンプル)です。彼らに温水洗浄便座の使い方をたずね、回答をロジスティック回帰という手法で分析しました。

ちなみに使い方には傾向があり、女性より男性、若年層より50歳以上のほうがビデを積極的に使っていました。一方で「かゆみ」と結びついていたのは若年・男性。年齢層によって、使い方や肌の反応が違うのかもしれません。

ただし、冷静に読みたい

ここで一歩引いて考えましょう。これは、ある一時点でアンケートを取って関連を調べた「横断研究」です。「洗いすぎがかゆみを起こす」と証明したわけではありません。

たとえば「かゆいから、よけいに念入りに洗ってしまう」という逆の流れもありえます。便宜的サンプルなので、日本人全体にそのまま当てはまるとも限りません。あくまで「関連がある」という段階の話で、因果関係は今後の検証が必要です。

それでも、「前洗い」「熱い水」「便もれ」といった具体的な要素がかゆみと並んで浮かび上がったことには、生活に活かせるヒントが含まれています。

それでも、気をつけたいのは

ビデそのものは、清潔を保てる便利な道具です。やり玉に挙がっているのは機器ではなく、「使いすぎ」のクセのほう。今日から見直せるのは、たとえばこんな点です。

  • 水温はぬるめに。「気持ちいい」と感じる熱さは、肌には刺激が強すぎることがあります
  • 洗うのは短時間で。長く当て続けない
  • 排便前の洗浄は控えめに。基本は排便“後”のためのものと考える
  • かゆみが続くなら、洗う回数や強さをいったん減らしてみる

清潔と、洗いすぎは紙一重。「念入りに」より「ほどほどに」が、デリケートな部分にはやさしいのかもしれません。


出典: Tsunoda A, et al. "Survey of electric bidet toilet use among community dwelling Japanese people and correlates for an itch on the anus." *Environ Health Prev Med.* 2016;21(6):547-553.(PubMedより取得 DOI

※本記事は研究の紹介であり、医療助言ではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。

SOURCE / 出典・論文情報
Tsunoda A, et al. Environ Health Prev Med. 2016;21(6):547-553. / DOI: 10.1007/s12199-016-0578-3
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